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ILL BOSSTINOインタビュー by Bundai Yamada

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THA BLUE HERB DVD作品『STRAIGHT DAYS/AUTUMN BRIGHTNESS TOUR '08』発売

 ILL BOSSTINOインタビューby Bundai Yamada

 

マイク稼業は

やることやってるやつが正義なんだよ

 

MIC STORY feat ILL BOSSTINO(『街風』SEEDA

 

北海道のTHA BLUE HERB(以下、ザ・ブルーハーブ)が、2008年の秋にブルーハーブ・レコーディングス自体で企画、敢行したツアー“AUTUMN BRIGHTNESS TOUR '08”の全貌をコンパイルしたDVD作品『STRAIGHT DAYS/AUTUMN BRIGHTNESS TOUR '08』をリリースした。

一カ月で全国17カ所を回るツアーを二枚に分けた、ファイナル東京のリキッドルームを除く全国16カ所のダイジェスト〜ボスの素の部分をメディアに落とし込んだという〜一枚目と、リキッドでのライブをド頭から最後まで見せつけるシリアスな二枚目という構成。総計4時間、とにかく見応えがある作品であることは確かだ。イル・ボスティーノ自身、一枚目の中でライブ後「やっぱり疲れる」と、まさに疲労を滲ませて呟くシーンがあるのだが、本作は、見ている側もその「疲労」を体感できる。だが、ここで感じられる疲労は、精神的な充足の裏にあるもので、愚痴に代わる「疲労」ではない。

また、このダイジェストの見所であり、この二枚組のDVDの中でも特に興味深いのは、五十人にも満たない動員でのライブまで作品に落とし込んでいるところだろう。

「全部さらけ出してるからね。別にリキッドルームの二枚目のディスクだけ発売してりゃあさ、『ブルーハーブ相変わらず人入ってんなぁ』みたいなさ。だけど別にそういうわけではないっていう。別に(動員が少なかった)鹿児島とか松山が遅れてるなんて思わない。ただ今まで行ってた回数が少ないし、俺らが行ってないだけだったから非は俺らにある。俺等の伝えようとする努力が足りなかったってこと。また松山も鹿児島も次行くつもりだし、増やすつもり満々だから。そんときに初めて、この日のライブの意味が出てくるんじゃない?」

ソールドアウトだったファイナルのリキッドと一番少なかった地域では、動員に千人以上もの開きがある。だが、その五十人にも満たないライブでも、もちろん注ぐテンションは全身全霊、それこそ“リスペクト”が宿っているのがダイジェストでも一目瞭然でわかる。

「めっちゃ貴重だったね、俺自身にとっても。でも結局東京ですら、最初はそうだったからね、はっきり言うけど。今でこそ普通にチケット千二百枚売り切れるけど、最初はあんなもんだったよ。みんな俺らのこと知らないし。そうやってライブ演って、そこに来てた人が『やべぇぞ、あいつら』って友達連れて来て。それを何回も繰り返して今みたいになってるわけだから。良いこともあるけど、悪いこともあるよっていう、ブルーハーブはそういうことをさらけ出せるとこまで気持ちがきてるからさ。まだチャレンジする気が満々あるっていうか。まだ広げたいと思っている。広げ切ったとは思ってないっていうか、まだまだ届いてない人がたくさんいる、努力しなきゃダメだと思っているというか。俺は俺の信じてる目標に向かって努力するっていう、そういう気持ちが強いんだよね。ここ数年はそういうフィーリングだね」

このDVD収録のザ・ブルーハーブのツアーはアルバムのリリースタイミングで行われたものではない。このツアー自体も、ここでボスがいう「チャレンジ」のひとつの試みなのだ。

「俺ら北海道に住んでて、各街の呼んでくれる人のメール、オファーのメールをいつまでも待ってるだけじゃ、この先食ってけねぇと思ってるわけよ。アーティストの表現とはまた別にね、レーベルとして、TBHR“ザ・ブルーハーブレコーディングス”として、やっぱり自分らでツアーを企画して、箱を押さえて、宣伝して、情報を行き届けて、ある一定のクオリティーでツアーをやり遂げて、更にそれをDVDに落とし込んで金を作るっていう、そこでフィックス。広告代理店とかそういうものを挟まないでね。今まで呼んでくれた街の人とのコネクションもちゃんと生かして、その街の人たちに失礼のないようにリスペクトを払って、かつ彼らにもポスターとか蒔いてもらったりとか色々協力してもらって。シスコがなくなったっていうのもあったし、これから先はそうやってちゃんとやってかないと俺らダメだと思ってるわけよ。俺、今37なんだけど、無邪気な若さは持ってねぇけど、まだ全然身体も動くし、失敗してももう一度一からやり直そうっていう情熱も持ってるっていうか。だから割と失敗を恐れないでチャレンジしようって気持ちが強いから、このツアーを企画した。だから別に今回のツアーが集大成でもないし、終わりでもない。これからこういうことをやっていきたいっていうツアー自体に対してのシミュレーションでしかないっていうか」

ボスはインタビューの最後にこう言った。

「もっとすげぇやつたくさんいんのよ、年齢、ジャンル問わずに音楽の鬼が。そいつらはすごい努力してる、影で。そういうのを知ると謙虚になるよ。俺が信じてる世界で言えば、鬼にならねぇと食ってけねぇ。そう思ってるんだよね。(鬼になりたいとか、なりたくないとか)そんな思想めいたものじゃねぇ。じゃねぇと生き残って行けねぇ。ただ単にそれだけ」

グッドミュージック・ジャンキー(=音楽の鬼)集団、ザ・ブルーハーブの二枚組DVD作品『STRAIGHT DAYS/AUTUMN BRIGHTNESS TOUR '08』、その圧巻な音と言葉のショウケースをぜひ体感して欲しい。伝説(パイオニアもどき?)にはない現実(リアル)がここには確かにある。

 

2009-03-26 17:12:13投稿者 : SEEDA