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24KSJ インタビュー by BUNDAI YAMADA

ライターの山田文大さんから24KSJのインタビューを頂きあっぷ。exclusive!!!
以下になります。




Rレイテッドが放つ究極のコンピレーション
『24 Hour Karate School Japan』が遂に全貌を現す!!

text by Bundai Yamada

2010年10月20、Rレイテッド・レコーズから初のコンピレーションアルバムとなる『24 Hour Karate School Japan』がリリースされる。この日はトコナXの誕生日でもあるということで、そんなことを一瞬思いながらCDのプレイボタンを押してみるのもよいかもしれない。後は、ヒップホップに限らず、音楽が好きなら後悔はさせない楽曲群が終わりまで続くので、その言葉とビートに身を委ねればいいだろう。
先行のシングル曲にして、既に五万ヒット超えというPV楽曲『24 Bars To Kill』を聴いて(観て)も、そのテンションの片鱗は伺える。日本を代表する四人のラッパー、アナーキー、リノ、漢、マッチョによるドープなマイクリレーは圧巻、まさに日本語ラップの結晶だ。
「ほんまのヒップホップジャンキーはこれでヤバいって言わなかったらなにがヤバいねんっていう。いろんなやつおるけど、オレは究極のかっこいいことで勝負したい。それがRレイテッドやし。究極いったるぞっていう。これがオレが考えられる現時点の究極やな」
と、このアルバムの仕掛人、RレイテッドのCEOのリューゾーは話す。
来るべきアルバム自体、既に巷でも話題になっている作品なので、前置きは最低限にとどめ、リューゾーに話を聞きながら、このアルバムに迫ってみたい。
このアルバムをプロデュースするのはスキー・ビーツ(Ski Beatz)。リューゾーをして「プレミア、ピートロック、スキー・ビーツ」と言わせる90年代のニューヨークのヒップホップを代表するプロデューサー。キャンプローの『Uptown Saturday Night』のプロデューサーであり、楽曲で言えばJay-Z -の『Dead Presidents』が、その仕事してもっとも知られるところ。今年リリースされたCurren$yの『Pilot Talk』もほぼスキー・ビーツのプロデュースであり、このアルバムは『ソースマガジン』でマイク四本の高い評価を得ているという。
「ニューヨークに三階建ての地下もあるデイモン・ダッシュの事務所があって、そこには音楽や映像を作る人間、絵を描く人間、洋服を作る人間って、いろいろなアーティストに自由に解放されている。デイモン・ダッシュは今若いアーティスト達のためにそういうスペースを作ったり、もうブラックキリストみたいな存在になっているわけ。その事務所が『道場』と呼ばれてる。その“道場”の地下にスキー・ビーツのスタジオがあって、そこが“カラテ・スクール”と呼ばれて、24時間オープンしているから、『24 Hour Karate School』」
この『24 Hour Karate School』というアルバムが全米で発売され、その日本版として出るものが、実にこの『24 Hour Karate School Japan』。たとえばジム・ジョーンズとシーダが同じビートでラップしているのを聴き比べれば(これは参加した全員に言えることなのだが)、日本語ラップが、日本人のラッパーたちがいかに言葉やフロウに対して高い意識を持っているかがよりわかるに違いない。
「ほんまは言ってしまえば、Rレイテッドだけで最初はやっても良かった。向こうからもそう言われていたし、オレらからしたら金を払ってでもやりたいこと。でも、いま日本のヒップホップはキテるし、日本のヒップホップに貢献できるという思いもあって、こういうカタチにした。人選もおれだけでは偏るから、ノブ(DJ NOBU A.K.A. BOMBRUSH!)を誘って、うちのスタッフと好きなラッパー、ファンやったラッパーたちに声をかけた。人選に関しては、これは向こうのコンピがありきのその日本版やから、最初から曲数は決まっているわけ。まだ入って欲しかったラッパーもいたし、その苦渋の決断とか…ないやん?」
だが、参加したラッパーたちはそれぞれ全員がまるで自分のアルバムかのように渾身の仕事をしている。
「ヒップホップとしてこれは絶対ヤバいことっていう自信を持ってる。このプロジェクトは日本のヒップホップとして絶対ヤバいってことを伝えて、反応してくれた人もいたし、してくれない人もいた。ジブさんもマッチョもカネじゃないからって感じでやってくれたし、MC漢も企画書を見せた瞬間『OKです』という感じやった。普通やったら、ラッパーやったらやると俺は思う。それをやらへんやつはマジっすか?っていう」
これはヒップホップに対してはクラシックから現行のものを含めて、ことごとくチェックし、クオリティーには特に厳しいリューゾーがここまでいうだけの一枚であり、同時に一枚のコンピというよりは一つの大きな音楽的プロジェクトと言っていいだろう。
「シーダが入ってくれたのも俺のなかですごいゴツい。あの音はシーダレベルのスキルがあるやつじゃないと乗せれへんし、向こうはジム・ジョーンズやし。でも、シーダは完璧なフロウで乗っかっている。やっぱりシーダはBボーイ。このアルバムの重要性がわかってくれたのが嬉しかったし、ほんま音楽で繋がったなって気がした。日本語を英語の発音にしたり、超高度なことをやってる。それをやって欲しかったんや、シーダ!っていう…。あとは音楽家としてすごいといえば、スラックを録音したときに、新しい、強烈な天才が現れたと思った。スラックこそザッツ次世代。こいつやで。すごい。なにがリアルかとか、イルなライムとかじゃなくて音楽家としてすごい。スラック、パンピー…この兄弟なんなん?(笑)」
ここでリューゾーが話していること自体、Rレイテッドというレーベルがいかに広い枠のなかで音楽を作っているのか伝わって来る内容だ。とは言え、このような絶賛話は、このアルバムの楽曲に参加した全員について言えることだ。
話題沸騰の先行楽曲「24 Bars To Kill」に関して言えば、アナーキー、リノ、漢、マッチョのフックなし、24小節のマイクリレーを存分に堪能できる。
「24小節で殺すっていう。これはよくある『キャッチーなフックがある曲』じゃない。ヒップホップはラッパーのスキルだけでもめちゃくちゃヤバい曲ができるでっていう。押し曲フックなしかいっていう(笑)。」
ちなみに、アルバム最後の曲、この「24 Bars To Kill」のリミックス。こちらも、いま旬のメンツということで、ジブラ、サイモン、D.O、シンゴ西成、DJタイコーととんでもないメンツ。
「ジブさんのバースが良過ぎる。ジブさん本気だしすぎ。超ヤバない?いきなり『殺しにきたぜ』やで。いやぁ、渋かった。最高やった」
ジブラだけでなく、リノにツィギー。ベテラン勢の仕事も恐ろしくなるほどのラップスキルを披露。
「これだけのメンツを俺もそう易々と集められていないから。俺のヒップホップのコネクションを詰め込んだ」
そうリューゾーが話す通り一分の隙もない。この一枚は日本語ラップの現時点での究極であり、日本のヒップホップのターニングポイントになるべき作品だ(テンション的には『悪名』を思い出してしまう)。ロッカフェラを築いたデイモン・ダッシュに「ロッカフェラとRレイテッドが一緒にやるからロック・レイテッドと言われた」というプロジェクト。そのプロジェクトを曲のタイトルにしたRメン、アナーキー、ラボーノ、リューゾーによる一曲に真摯に耳を傾けてみれば、いかにこのレーベルが凄まじいことをやっているかがわかるだろう。
言葉の巧みさ、フロウと、想像もつかない進化を遂げていくアナーキー。そのアナーキーの「ロック・レイテッド」の一小節目の言葉「こっちおいで/ダサいの置いといて…」という言葉の通り、リアルもイルもサグもギャングも全部取っ払って、ただ「カッコいい」という基準だけでこのCDをゲットして聴いてみればいい。般若やガジラの一曲に、ラボーノやジブラのワンバースに、シーダやツイギーのスキルに…ぶっ殺されちまうに違いない。
ジャケットは『アフロサムライ』の岡崎能士氏。さらに、岡崎御大による全員の顔の書き下ろしが中ジャケという恐ろしいゼイタクさだ(ちなみに、この『アフロサムライ』シリーズの音楽はすべてウータン・クランのRZA)。とにかく、『24 Hour Karate School Japan』は“ど”ヒップホップな一枚なのである。
12月31日、一夜限りの『24 Hour Karate School Japan』ナイトをクラブチッタで開催するという。出演者は、ニューヨークから、このアルバムのビートを全てプロデュースしたSKI BEATZと彼のバンド、THE SENSEIS、そしてアルバム参加日本人アーティスト。さんピンCAMP以来の衝撃が年末、日本列島を襲う。究極のヒップホップとともに、究極の日本語ラップとともに年を越すことを今からオススメしておきたい。この夜だけは、クラブチッタにいるべきだ、と音源を聴きながら納得して頂きたい。聴いているうちに自然に首を振っているだろうから、その「答え」がきっと真実なのだ。
「こっちおいで/ダサいの置いといて!」


2010-10-23 23:52:31投稿者 : SEEDA