SEEDA CONCRETE GREEN Blog

ISH-ONEロングインタビュー pt.2 byしだ


SEEDA:アメリカと日本のシーンの違いってどういう所にあると思う?



ISH-ONE:本当の意味で音楽がライフスタイルかどうかってところかな。日本って今でこそSTREETスタイルに憧れて始めてる奴も多いけど、俺らが日本で最初に始めた頃はそんな

物なかったから。向こうはおじいちゃんの頃からJAZZとかFUNKがあって、その流れでRBがあってみたいな流れがしっかりしてる。音楽に対する考え方が、BLUESにしろ何にしろ時代背景が

あって音楽があるからSTRUGGLE(苦悩)っていうか、自分たちが苦しんでいるものを出すみたいなところがあって。なかなか日本ではそこまでなりきれてないっていうか。向こうだったらジョージ・ブッシュとかヒラリーって名前が言えるけどこっちではそれが出来なかったりとか、そういう芸能のタブーみたいのが日本のHIPHOPにもあるし。音楽で生活に凄い密着してて、思ってる事を誰も恐れずちゃんと言えてるのかっていうのがまだ日本にはないと思うね。チャートで流れてる音楽とかPOPSにもそう思うんだけど、本当に全員の心はとらえられてないなって。音楽がただ聴

くものなのか、生きるものなのかの違いっていうかさ。



SEEDAISH 君が影響を受けたアーティストとかっているの?



ISH-ONE:基本的に日本人のラッパーとかよりも向こうのアーティストに影響は受けるよねやっぱそれは。向こうってスタイルがいっぱいあって、その一個一個に間違いのないオリジナリティーがあるから、色んなところの良い所は取っていきたいなっていうのもあるし、フローがカッチリして

てリリックもただ単に深いっていうだけじゃなくて、言葉の遊び方も凄く面白かったリとか。名前上げるとJADAKISSとか、NASも普通に格好良いと思うし、最近だとJUELZ SANTANAとかフローもATTITUDEもヤバいと思うし。

新しいのが好きだから昔のスタイルで今の音に乗せてると、それがオリジナルでも良いんだけど、コイツはそこで止まっちゃってるなって思っちゃったりするかな。PAPOOSEも好きだしCASSIDY

も好きだよ。若いヤツらもDIPSET以降のフローがのっぺりしてるのが好き。色々いるよね最近は。でもSOUTHはあんま聴かないし、WESTも一部以外は聴かないね。NEW YORKだよやっぱり。



SEEDA:それは何で?



ISH-ONE:やっぱ一番頭がいいっていうか、リリックの内容もカッチリしてるのがNEW YORK

だと思う。WEST COASTも格好良い奴いるし、アングラも格好良い奴いるけど、NEW YORKの元から生まれ持ったアーバンな都市的な感じって言うのは、やっぱり色んな地方の奴がマネしようとするけど絶対に出来ないから。俺はやっぱりスタイル的にNEW YORKが一番好きだよね。



SEEDAISH君から見た東京のスタイルってどうなの?



ISH-ONE:東京はね、凄い最近思うけど、自己表現型になって来てるっていうか、自分の内面とかを表現するのがスタイルになって来てると思う。昔は「YO!調子どう?」とか「盛り上がれ!ワ

ー!!」みたいな(笑)押し売りって感じだったけど、今は何かSTREETよりなものが聴かれてきてるせいもあって、東京のSTREETっていうのをみんな出そうとしてるっていうのはあると思う。でも同じスタイルばっかで似かよるのはもう面白くないよね。ZEEBRAとか第一世代が築いた東京って言うよりも、その世代も聴いてきたけどその陰で上がって来れなかった奴らが今どんど

ん上がってきてるから、そういう意味での反骨精神的なものも今の東京には見えるよね。



SEEDAISH君にとってHIPHOPってどういうもの?



ISH-ONE:ありきたりだけど本当、ATTITUDEだよね。自分の。生き方、スタイルとかもそうだけど、ただ単に自分がやってたのがHIPHOPだったみたいな。別にHIPHOPな生き方をしようと思ってNEW YORKまで行ってないし、ただ自分がそこにいて、自然に生活でやってた事がHIPHOPじゃんって気付いたっていうか。クラブの中で焚ける様な向こうの黒人ばっかのクラブで、爆音で人種が入り乱れて揺れてる瞬間とか。こういう普通にやってる事がHIPHOPなんだなっていうか、考えてHIPHOPっぽい事をやろうとかHIPHOPっぽい格好をしようとかってことじゃなくて、常にありのままの自分を表現出 来るっていうか。別にそんな捻った意味じゃなくて、フリースタイルの時とか、自分の考えを言ってるんだけど音に乗ってるよって言うか。感覚的なものに凄く近いよね。ベーシックにある生き方とか態度とかさ。

日本人ってあんま自己主張とかしなかったりするけど向こうの奴はするじゃん。混血っていうか、環境的に色んな物が混ざってると思うんだよね。元々STREETで自分達がやってきたって感覚よりは影響を受けてる物があって、それを自分の中で消化していくってのが日本のHIPHOPって感じがするけど。でも向こうに行くと自分がこれがHIPHOPで良いんじゃねーかってものが逆に崩れるっていうか。自分の中で迷ってたものも取れて、HIPHOPっていうものがLIFEに入ってくるよ。


SEEDAISH君のラップのスタイルって言うのは、僕からすると音にカッチリはまっててメロディアスって印象があるんだけど最初からそういうスタイルだったの?



ISH-ONE:色々変わったね。音楽は分け隔てなく聴くし。最初始めた頃は甲高くて「ヒェヒェー!」みたいな(笑)。中学とか高一の頃までは日本語ラップ全く聴いてなかった訳でもなかったから、DJ KRUSHとかRINOがやってたやつとか聴いたりしてたし。で、早口になったりちょっと深い事言ってみようとか、色んな事を試行錯誤しながら今に至るっていうか。やっぱ向こうの流行りのフローは敏感に聴いてるって言うのはあるよね。日本って流行りのフローってそこ

まで定義されてないじゃん。そういうのは取り入れていこうっていうか、でもそれを真似するんじゃなくて、日本人でかっこ良くやれたら良いよねってのは常にあって。

でもやっぱ凄ぇなこのフローみたいに思うのを聴くと、やっぱ影響されちゃうっていうのはラッパーにはあるよね。そこには正解はなくてさ、でもさっきのHIPHOPの話じゃないけどそこに回答はあるみたいなさ。フローでこのポイントでこれ来たら、これは勝てねーやみたいなのは常に意識していきたいとは思うけどね。



SEEDA:流行のフローについてもうちょっと聞かせてもらってもいい?



ISH-ONE:いきなり出て来るんだよね。黒人の女の子が歌ってる歌とか、アイスクリームマンの流してる音とか、様は何か実験してる感覚があるっていうかさ。向こうってこうどんな曲でも韻を踏むっていうのは普通だった訳じゃん。韻を踏んで、メロディーとフローを気にして曲を作ってたっていうのはあると思うから、だから向こうはそうやってフローってものを重視するっていうのはあると思うんだよね。日本ってこう韻を踏むって文化こそあったけどそれが音楽に適用されるまで凄い時間がかかってて、最近はやっとそういうものも増えてきてるけど。向こうってある意味DNA

レベルでこう来たらこう来るって理論が出来ちゃってるっていうか、それを刺激するように曲が作られてる。流行りのフローが生まれるっていうのにもそういう背景があって、文化としてカッチリしてるからこそ色んな実験的な事をやってもリスナーがフォロー出来るっていうか、聴く事が出来る、持って行く事が出来る。日本って細分化し過ぎてて、色んなフローがあるんだけど、これだ!ってフローがないっていうか。ZEEBRAとかの世代の人達は日本語ラップってこうだみたいのを作ったと思うんだよね。でもそれ以降は色々あるけど、どれが一番のフローなのかっていうのがあんまない気がする。集中しないんだよね、向こうはすぐ集中するっていうかさ。でも最近は日本もフローに集中してきてると思うよね。だからもう流行りのフローも出て来るんじゃないの?既に流行りを作ってるやつはいっぱいいると思うよ。



SEEDAISH君の曲を聴くと、アメリカのHIPHOPを聴いた上でその世界の中で自分がどうしようって言うのが伝わってくるけど、そういう視点で見た時に日本のラッパーってどういう感じなのかな?



ISH-ONE:俺の感覚的に日本にいる日本人とか、NEW YORKにいる日本人とかあんま関係なくて、地球人何処でも行くし何処でもやって行けるって事をNEW YORKで実践してたつもりだから。日本人でもROCK出来るし、誰の前でもラップするよっていう。

だからもっと主張して行けば良いと思うけどね。日本語ラップをどんどん。やっぱり日本語ラップなんだから日本人に対して分からして行った方が良いと思う。もっと面白い事やオリジナリティーがある奴が増えれば良いと思うし、それをサポート出来る環境がもっと増えればいいなと思う。若い奴らの言葉の力を信じてくれる金持ちみたいな(笑)。文化を創るために投資する奴がもっと出てきても良いと思うし。日本はみんな(HIPHOPじゃ)喰えないから変にキモイビジネスにはしっちゃう所はあるよね。だからもっと自然に楽しんだ方が良いと思う。肩いからせたHIPHOPじゃなくて、ブロックパーティーの雰囲気でHIPHOPやって、それをサポート出来る大人がもっと出てくれば良いよね。



SEEDA:具体的にブロックパーティーって言うのはどういう物なんですかね?



ISH-ONE:ブロックパーティーは気付いたら始まってるんだよね。朝起きたら「うるせぇ!」みたいな(笑)。起きたらBBQの臭いがして降りて行くとサウンドシステムも出てて、アーティストもLIVEしててBBQも喰える。大体夏とかに多いんだけどね。町内会みたいなコミュニティーが連携して、何ブロックか通行止めにしておじいさんも子供達も皆で楽しもうっていう。ジャマイカとかもそうだけど、向こうはこう常に盆踊りみたいな(笑)、音楽が流れてるそういう場所がある。だから、SEEDAとかももっと日本のコミュニティ ーとやって行けば良いんじゃないかな。偽善かも知れないけどこれ出来る奴は凄いと思うんだよね。地方を盛り上げるっていうか、そこの住民にカルチャーとしてラップで伝えるって言うのは日本人はあんまやってないじゃん?地元に何かして貰ってる訳じゃないけど育てて行く事は出来る訳じゃん、そいつらが次の世代だと思うしね。



SEEDA:最後にISH君からメッセージとかあれば。



ISH-ONE:色々と頑張って行こうぜ、と。日本語ラップもSEEDAとかの活躍もあって再注目されてると思うし、みんながそれに便乗するんだけど、各々のスタイルを築き上げて行って、個性のある奴がのびていったら、かなり状況も変わってくると思うし。さっきの話じゃないけど、コミュニティーと繋がる事で違う所のリスナーも獲得していった方が良いんじゃないかな。色々やりあって成長していこうよ、みたいな。俺も頑張るしみんなも頑張りなよみたいな(笑)。ありきたりだけどやりたい事やれよ、1回の人生なんだから。


告知としては、俺のアルバムもだけど4月にSAGGAのアルバムが出たから、俺の相方で、ニューヨークでずっと一緒にやってきた奴でヤバいと思うから絶対にCHECKして下さい。あと「JP STATE OF MIND」、これは既存の曲REMIXとかも入ったりしててメチャクチャなんだけど、それはそれでHIPHOPとしてKEEPしていきたい部分でもあるし。でも全国流通を考えてもっとちがうMIX CDも考えてるけど、まずはこの「JP STATE OF MIND」のVOL.1と2を聴いて欲しいね。10月にはvol.3も出るし、PVも出るしどんどん攻めてくよ。

あと、「US AGAINST WORLD」っていう、EGOFOURDっていう二人がやってるアルバムが出てて、それにも俺が一曲シンガーで参加してて(笑)、まぁアルバムは本当にSTREETな東京リリックスって感じだし、格好良い奴らがいるんでCHECKして下さい。

あと新宿のIZMで「HOT BLOCK」ってクソ熱いパーティーやってるのでもし良かったら遊びに来てね~。


SEEDA:ありがとうございました!



ISH-ONE myspace: http://www.myspace.com/jpstreethop


official WEB: http://www.yingyangproduction.com



2008-07-29 21:12:42投稿者 : しだっ